【ニュースリリース】 派遣法改正セミナー"派遣法改正の達人"報告
3月10日(水)午後、JR水道橋駅近くの「ハロー会議室錦糸町 水道橋」にて、物流事業者を対象とした派遣法改正セミナー「派遣法改正の達人」を開催した。定員30名の募集のところ、50名ちかくの方からの申し込みがあった。急遽、定員を40名に増やし、10名ほどの方にキャンセル待ちをお願いすることとなったが、結果的に、数名の方にご参加を断念して頂くことになった。このことからも、多くの現場労働者を必要として、その人員を派遣会社に依存している3PL企業を中心として、派遣法改正に対する物流企業の関心の高さをうかがい知ることができる。
第一部は、当社取締役・物流人材コンサルタントの栃本浩昭(とちもと・ひろあき)による「波動調整も恐くない、半年でできる直接雇用化」と題されたパート・アルバイトの直接雇用化についての解説。冒頭、"人ありて物流"という当社が掲げる物流業界のあるべき姿を提示。当社は、スポット派遣労働者の生産性と、直接雇用のパート・アルバイトの約20~30%違うといわれる生産性の違いから、物流企業の経営課題として"直接雇用化"をすべきとの論に立つ。そして、生産性向上の要は「パート・アルバイトの現場労働者の教育・訓練」にこそあり、"改善マインド"を持った物流マンの育成こそにあるいうのが当社の自論だ。
メディア報道の多くは、派遣法改正のポイントを「製造派遣の禁止」、「登録型派遣の禁止」の2点に集約する傾向があるが、物流現場において重要となるのは「スポット派遣の禁止」、「労働契約申し込みみなし制度(みなし雇用制度)」の二点であることを力説。そして、前者二点の報道とともに付け加えられる「猶予期間」は、後者二点には適応しないことを指摘した。参加者の多くが、この点を知らずに、会場に緊張感が走る。そして、派遣法改正を迎え撃つ物流企業が取り得る「直接雇用化」と「業務請負化」という2つの選択肢を提示。このいずれの場合も、"波動調整"がポイントであることを解説した。直接雇用化における具体的な課題点として、「シフト型のパート・アルバイトの柔軟な活用」を挙げた。次に、当社「直接雇用化実務研修」で用いている3つのツールをプロジェクターに移し、具体的な施策を詳細に解説した。最後に、パート・アルバイトの直接雇用化を成功へと導くポイントとして、1.リーダーシップを発揮できる管理者の育成、2.帰属意識の高いパート・アルバイトの育成が必要であると締め括った。
続いて、 人材総合管理パッケージシステムとして知られ、平成16年、経済産業省の「情報化月間推進会議議長表彰」を受賞、同18年には、同じく経済産業省の「IT経営百選最優秀賞」を受賞、会社、製品ともに国の賞を受賞するといった優れた功績がある㈱ビジネスアプリケーションのパートナー㈱システムカルチャー佐々木啓治(ささき・けいじ)代表取締役による講演。派遣法改正を見据え、「直接雇用化」を目指す物流企業、自家物流企業、そして、委託先3PL企業の労務コンプライアンスに懸念を抱いている荷主企業に向けて、労務コンプライアンス徹底のためのソリューション"Succeed"の紹介が行われた。このソリューションは、派遣法改正の結果として、"波動調整機能"を自社で進める必要性が出てくる物流企業にとっての強い味方となる。その優れた点は、システム性能、導入時・導入後のサポート体制などの高い信頼性はもとより、①労務管理負荷の軽減、②業務波動対応、③労務コンプライアンスの徹底にある。現在、派遣法改正で多大なる影響を受けると言われる物流業界向けに、業界の業務特性を踏まえ、"業務波動"や"シフト管理"の機能をより強化した"Succeed for Logi"を開発している。
休憩を挟んだ後半戦。最初の講師は、"現場力"で知られる大手3PL企業、ハマキョウレックス鈴木信久(すずき・のぶひさ)開発部営業開発課長による講演。「ハマキョウレックス直伝! 直接雇用化のパート・アルバイト活用法則 ~"現場力=ハマキョウレックス"のブランドはこうして作られた~」を題された講演では、冒頭、物流コストの三大要素(人件費・配送費・家賃設備費)について触れ、そのなかでも、特に、3PL現場のコストで大きな割合を占める"人件費"に着目。パート・アルバイトを含めた全員参加型の意識向上が重要と力説。そして、ハマキョウの現場力強化のポイントとなる「日替わり班長制度」、「収支日計表」、「アコーディオン方式」について解説。高岡センター事例をもとに、直接雇用化のステップを解説した。もっとも唸らせられた点は、コンプライアンスの取り組みであった。「サービス品質」、「安全・衛生管理」、「労務コンプライアンス」など、項目ごとに解説、コンプライアンスを徹底してはじめて、直接雇用化を進める助成金を申請できる。最後に、ハマキョウレックス3要素(収支日計・全員参加・コミニケーション)を説いて講演を終えた。
第二部は、業務請負成功事例紹介。最初に、㈱セル・ホールディングス三浦弘人(みうら・ひろと)代表取締役社長により「業務請負化"成功のコツ"」と題された講演。単に、「派遣契約」を「請負契約」に切り替えるだけの偽装請負が横行する現在の物流業界において、労務コンプライアンスと現場生産性を徹底的に"見える化"している同社の取り組みを紹介することは物流業界の発展のためにも意義深い。実際に、物流事業者や請負会社に自社の物流業務を発注する立場の参加者が、業務請負化するための適切な手順を知る機会は少ない。講演では、同社の説明に続き、業務請負化を進める手順、現場管理手法などを説明。続いて、業務請負に移行する際の成功例、失敗例を具体的に解説。特に、失敗に陥る要因として、①虚偽のデータ・コストの海事、②品質に関わるデータ・コストの非開示、③コスト分析のための開示データ不足、④曖昧な業務範囲の定義を挙げた。同社特有の荷主企業の物流コストを「固定費」から「変動費」に変える挑戦は、グループ会社のコンサルティング会社「アルノ」による徹底した物流診断、更には、独自に開発した生産性管理ツール「ABMシステム」などにより成し得ているのが最大の特徴だ。適切な労務コンプライアンスコストを掛けながら、現場の生産性を向上させる同社の取り組みには頭が下がる思いだ。
"派遣法改正セミナー"のトリを飾ったのは、数少ない物流業務請負いを手掛ける上場企業㈱エスプール・中村勝人(なかむら・まさと)ロジスティクス事業部長。「アウトソーシング"成功のコツ"~パートナー企業の強みを活かす~」と題された講演では、現在、物流現場を高品質で低コストなサービスで運営するためには「安全衛生」、「波動調整」、「低単価調整」、「人財採用」、「IT化」、「標準化」、「改善活動」、「教育・訓練」などをパートナーが支援している点を指摘。自社運営化で発生する「教育指導費」、「法定福利費」、「採用活動費」、「給与支払費」、「人員管理費」などを同社のようなパートナー企業に委託することにより、物流コストを変動費化するだけでなく、自社のコア業務に集中することで、高品質・低コストなサービスが実現できると説く。そして、その結果、市場競争力を確保するという。続いて、業務請負化が失敗するパターンと成功するパターンのポイント。パートナー企業選定の6つの基準(コンプライアンス・価格・与信・運営力・社風・提案力)を解説。同社が取り組む物流KPI事例を紹介した。(文責:延嘉隆・ロジラテジー代表取締役)
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